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居酒屋の平面設計の応用(小規模カウンタースタイルの店舗設計)

カウンター席だけの店舗設計についてですが、カウンタースタイルの居酒屋業態の主力メニューは、焼鳥や串揚げなどをメインとした専門店の場合が多いです。カウンター厨房で料理をしカウンター内部からサービスに徹して省力化を図る考えで、これは小規模店舗だけでなく、中規模店舗にも例が多いです。

中規模店舗の場合はカウンターを2箇所作り、丁度1つのカウンターの小規模店舗を2つ合わせたようなものです。入店客の混雑する時間帯に合わせて使う2台のカウンターを、ほぼ同じ大きさ、または、大小のスケールに店舗設計し、コースメーニュー、単品のメニューの料理構成でサービスするのが良いでしょう。

カウンター席だけの存在をアピールする店舗デザインになりますが、収容客席数は極端に少なくなります。ひとつの基準は1台のカウンターで25人~35人までを目安に考えて設計すると良いでしょう。これは焼台が2台設置できる範囲がコース料理のサービス限度であることと、利用客のカウンターを取り囲む賑わいの適正数として考えられるからです。

カウンターが2つ以上ある中規模店舗はカウンターの数だけ厨房も独立した形でカウンター内に増えることになります。厨房を別の場所に設定すればカウンター内サービスの省力化が崩れるからです。下げ膳の洗い場も各カウンター内で処理するということで中小規模店舗のカウンタースタイルが成立するといえます。

一方、店舗レイアウトではカウンターの席数が中央に集まり通路は壁際に位置します。通常の客席構成とは異なるスペースの利用が前項で述べたゆとり空間として店舗デザイン上ユニークな表現ができる可能性があります。

このようなカウンター形の居酒屋専門店としての店舗設計では照明設計に特に留意したいです。メインとなるカウンターやその客席は空間の中央で存在感があり、それに比べて壁際は通路空間である分、背景として考えられます。その比重に沿って照明の陰影も中央を明るく周りを暗くしてコントラストの妙を演出してみるのもいいです。その他の照度は極力抑えても支障はないでしょう。

カウンター席はその店舗のグレードにより椅子の背を付けるかどうかを判断できますが、詰め込みのきくランクの場合の椅子はスツール形態にして収容数の応用に幅をきかせましょう。背付きの椅子はその分収容客席数がマイナスになりますが、客単価の差で対応することになります。

 

カウンターの詳細設計

居酒屋のカウンターはカウンター席を設ける目的もありますが、それ自体、店舗の演出を高めて特長をだすためにも必要です。カウンターの位置付けは厨房室と連動させる意味で厨房やパントリー室の延長部分となり、各店の主力メニューにより、その性格が店舗設計上の特長となって現れます。魚焼、串焼きの料理をする焼き物カウンター、飲物専用のためのドリンクカウンター。あるいは刺身やおつくりを中心とした生物のための調理を旨とするカウンターなどでありますが、前者は立ちのぼる煙や焼き手、従業員の激しい動きがにぎわい感を感じさせ、”動”の性格で大規模店舗での設定が多いです。

同時にカウンター席のサービスを直接カウンターからする必要がなく、ホールサービスで料理や飲物を運ぶ形になるのでカウンターの奥行きを深くすることができ、しかもグレードが高く設定できます。それに比べ後者は”静”のイメージのカウンターで中小規模店舗の例に多く、カウンター内から直接サービスが基本となります。

カウンターディテールの考え方はその高さ寸法に作業性と心理性を加味した配慮が必要になります、ひとつにはバックヤードとの区切り=スクリーンとしての役目であり、その高さにより視野の幅の差を生みます。その一方でカウンター内部をみせないことも必要です。座姿勢の利用客と立ち作業の従業員とのアイレベルも視野にいれましょう。総体的には950mm前後の高さを基準に設定すると良いでしょう。そこからつけ台の高さが障害とならない高さ120mm~150mmを引けば850~800mmの甲板面高さが得られ、利用客の座面高のアイレベルも適度な高さとなります。

客席の床上げにより低いカウンターができる時は客席テーブル面と同じ700mmの高さに設定しますが、その場合は奥行きのある甲板とし、従業員との距離もおき、間にネタケースや炉端ケースなどでクッションをとることが必要になってきます。いずれにしても利用客が席に着くときのカウンターの低さに心理的な不安があるのは前途の意味でバックヤードとの遮断性が弱いためです。

カウンターにつき物の下部の荷棚に関しては店舗デザイン上、設置可能な場合はできるだけ付けたいですが、なければディテールにもう少しユニークなデザインの可能性が引き出せますが、居酒屋の客単価ではクロークが設けられないだけに無理がないところです。そのためにも荷棚が目立たない位置になるように甲板の高さを割り出すともいえる寸法の出し方になります。

 

客席のありかたは店舗の空間を決定する重要な要素であり、店舗全体のデザインを如何に独特なものにするかということは客席スタイルの構成から出発するといってもいいでしょう。単調な客席スタイルでは余程ユニークな方法で店舗設計しなければ空間イメージの膨らみを得るのは難しいでしょう。

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