店舗デザイン・店舗設計で大切なこと(その2)
顧客満足、スタッフ満足、経営満足を満たすためには、何をどうすればいいのでしょうか?
その答えは、「開業計画」と「コンセプト」に忠実になることでしょう。
店舗デザインを決める判断基準とは何か?
飲食店の店舗は、「商品の製造」、「販売」、「接客サービス」という3つのことを同時に行う場所です。
したがって、店舗デザインを考える際は、「設備(想定する商品を作れる設備設計)」、「機能(スタッフが使用するうえでの機能性を考えた設計)」、「デザイン(イメージ・雰囲気・デザイン性の設計」の3つの要素を効果的に織り込む必要があります。
店舗デザインを決定する際は、「コンセプトと開業計画を実現できるか否か」が唯一無二の判断基準になってきます。
この基準に合わない店舗作りは、どんなに格好良くても、安く仕上げることができても、良い店舗だとは言えません。もちろん、格好が良かったり、安く仕上がるに越したことはありません。しかし、それは、「開業成功」という結果が伴って、はじめて意味を持つものです。
格好は良いが、コンセプトとズレていて集客ができない、安っぽくてチープな店舗になってしまい、顧客に受け入れられないでは、まったく意味がありません。
整合性がとても大切です。
経営は店舗のデザインやイメージによって、さまざまな影響を受けます。店舗デザインにはどんな要素が必要なのか考えてみましょう。
キーワードは整合性です。
コンセプトがこうだから、店舗デザインもこうなる。
開業計画がこうだから、店舗デザインもこうなる。
このような統一性や整合性が、店舗作りには欠かせないのです。
開業計画やコンセプトと照らし合わせながら、店舗作りを進めることで、目先のメリットだけでなく、顧客・スタッフ・経営の3つの満足度が高い店舗作りが可能になるでしょう。
●店舗イメージによる影響
・客単価
店舗イメージによって客単価が影響を受ける。イメージと客単価に差があると顧客に支持されない。その店の客単価に見合った店舗デザインにする。
・客層
店舗イメージによって客層が決まる。狙った客層を獲得できる店舗イメージを作る必要がある。ターゲットに合わせてデザインする。
・来客数
店舗イメージが、そのまま来客数に結びつくことがある。斬新さや、温かさや、楽しさが顧客にとっての価値になるので、顧客の欲する店舗の価値を考える。
・来客動機
店舗のデザインが来店動機につながる。あの店は○○だから行って見よう。○○の部分を考慮し店舗作りをする。
・初来店獲得
初来店客は、偶然店の前を通って来店してくることが多い。したがって、入りやすい店舗作り、入ってみたくなるようなデザインで初来店客を獲得する。
・売上高
店舗の良し悪しによって、売上高に影響を受ける。コンセプトとの整合性が大切。
●店舗レイアウトによる影響
・満席率
店舗レイアウトによって、満席率が変わる。一組当たり来客数合わせて、効率的に運用できる席配置を行い、満席率を上げていく。
・滞在時間
店舗レイアウトと席配置によって、顧客の滞在時間が変わる。満席率×滞在時間が店の席効率を決める。効率経営ができる席配置を行う。
・料理提供時間
店舗レイアウトによって、料理の提供時間が変わる。厨房機器の配置、厨房と客席間の移動距離と導線を検討して効率的で満足度の高いレイアウトにする。
・作業効率
関連性のある作業を一箇所で同時に行えるなど、作業効率を考えたレイアウトにする。使いにくい店舗=疲れやすい店舗といえる。
・使い勝手
棚の高さ、シンクの広さ、水道、コンセント、スイッチ類の位置など、使い勝手のよい店舗が効率運営を生む。
・客席視認性
仕事の優先は①入店時対応②レジ対応③顧客に呼ばれたときの対応。この3つをなるべく多くの人が確認できるレイアウトが必要。
・提供可能商品
店舗レイアウトによって、提供可能な商品内容および商品数が決まる。保管、調理、提供に必要な機器を配置し、スペースを確保する。
・運営人員
店舗レイアウトによって、運営に必要な人員が決まる。必要人員数で効率よく、かつ顧客満足度を高めるレイアウトにする。
・店舗経営成績
売上高、人件費、作業効率と顧客満足度は、店舗レイアウトに大きく影響を受ける。
●店舗イメージとレイアウトによる影響
・初期投資
店舗イメージとレイアウトによって、初期投資が決まる。格好がいいデザインに仕上がっても、投資と収支のバランスがとれていなくては意味がない。
・工期
店舗イメージとレイアウトによって、工期が決まる。長すぎる工事は家賃と、営業していれば得られるはずの売上の両方を無駄にしている。
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