内装工事の見積書の見方について
見積書とは設計図面と仕様書を基に内装工事に必要な費用を算出し工事項目ごとに表示した書類のことをいいます。
工事請負契約を交わす際、契約書に表示された工事金額を裏付けする資料として、必ず見積書が提出されます。
見積書には決められた書式がありませんので施工会社ごとに表現方法が違っています。
表紙の見方
見積書の表紙には、工事名称、工事場所、工事金額、作成日、施工業者名称、作成者、見積り有効期限、見積り条件などが記載されています。
ここで重要なのは、工事金額に消費税が含まれているかどうかと、見積り有効期限、見積り条件の内容の確認です。工事金額に消費税込みで記載される場合と、消費税の欄が別になっている場合があります。
見積り有効期限は、基本的には作成日から1ヶ月以内となっているケースが多いようです。見積書を受け取って1年後に着工という場合は見積り有効期限を過ぎていますので、再度見積書を作成してもらう必要があります。
内訳明細書の構成
内訳明細書には、仮設工事から諸経費の項目まで、工事の内容別に工事名称が記載されています。
それぞれの工事項目ごとに、工事内容(規模、寸法、仕様など)、数量、単価、金額、備考が具体的に列記されています。
例えば、寸法や仕様の記載がないのに金額だけが決められていたり、数量や単価の記載がなく一式という表現になっていたりした場合は、施工会社に工事内容の詳細を聞くようにしましょう。
内訳明細書のチェック方法
施工会社から見積書が提示された時は、ただ受け取って表紙の総額を見るだけではなく、各項目ごとに細かく説明を受けて下さい。
分からない用語や単位が出てきたら、そこで必ず質問をし答えをもらって下さい。一通りの説明を受けた後は、自分でもう一度設計図と仕様書を基に、内容を確認して下さい。総額や単価だけではなく、数量の欄まで目を通すことが重要です。
1社だけの見積書では工事金額が適正なのかを判断するのは非常に困難ですので、相見積りを取り比較するとよいでしょう。
比較する際は工事金額だけでなく、工事内容についても比較するようにしてください。
工事中の追加変更
工事竣工後に追加工事費の請求をされ、その金額の大きさに驚き、トラブルになるケースが少なからずあります。
工事途中で仕様を変更してしまうと、既に購入してしまった材料が無駄になったり、施工手間が掛かったり、最悪の場合は既に工事が終わっている箇所を壊さなければならなかったりと想像以上にコストは掛かるものです。
このような事態を避けるためにも、工事請負契約時までに密な打ち合わせをして、変更がないような設計図を作成してもらうよう心掛けて下さい。
また、やむを得ず工事中に追加変更をおこなう場合は、現場の職人さんに直接お願いするのではなく、その工事の責任者である施工会社に伝えてましょう。
その際、追加金額や工程の変更については口頭でなく、必ず書面を取り交わすようにしてください。
内訳明細書の内容
内訳明細書にはどのような項目があるのか、一般的な内装工事の例をあげてみましたので時間があるときにでもみてください。工事の全体像を把握する上で役に立ちますので、大まかでいいので覚えておくといいでしょう。
1.仮設工事
仮設工事とは、工事中、作業をスムーズに行うために設ける一時的な施設や設備を組み立てる工事のことです。
~内訳~
・水盛墨出損料
・足場損料
・材料搬入 残材搬出処理料
・清掃片付け費
2.木工事
木工事とは「木材の加工又は取付けにより工作物を増築し、又は工作物に木製設備を取付ける工事」です。こういうと分かり難いですが、木工事として扱うものが大工工事に該当すると思っていただくと分かりやすいと思います。
~内訳~
・ホール床上げ コンパネ二重貼
・個室間仕切化粧仕上げ
・個室パーティション
・個室腰壁銘板貼
・ベンチ横パーティション
・パントリー開口枠
・厨房入口枠
・店舗入口枠
・ホリゾント廻縁
・店内巾木 廻縁類
・サッシ取付枠
・外壁木板貼
・取付費
3.軽鉄工事
軽鉄工事とは亜鉛メッキ鋼鈑の材料で、天井や壁を造作することです。材料の鋼鈑の厚みが一般材で0.5㎜しかなく軽いので、軽い天井・・・軽天をけいてん・ケイテン・軽鉄と呼ばれています。
この軽天を組み終わったら「プラスタ―ボード」をはっていきます。 プラスタ―ボードとは石膏でできている材料で、このボードの上に壁紙や塗装を行います。
~内訳~
・天井ホリゾント造作
・〃LGS PB貼
・〃下がり天井造作
・壁面間仕切LGS PB貼
・〃LGS PB貼
・厨房天井LGS ケイカル板貼
・〃壁面LGS ケイカル板貼
・フクビ 金物類
・天井点検口
4.建具工事
建具工事とはドアや窓など金属製建具を取り付ける工事のことです。 金属製建具にはスチール製のドア、アルミサッシ、ガラスなどがあります。また、室内用には木製建具の室内扉、襖(ふすま)や障子などがあります。
建具工事は仕上げ工事のひとつで内装工事のあとに行われます。
~内訳~
・店舗入口親子ドア
・WC入口ドア
・〃男女入口ドア
・個室入口枠
・取付費
5.電気工事・照明工事
電気工事はエアコンや冷蔵庫などの厨房機器の動力の配線工事や引込工事になります。電気容量を多く必要とする業種の場合は、前もって電気容量をチェックしておきましょう。
容量不足で建物の電気設備を替えるとなると電気工事費用が高くなります。
~内訳~
・電灯工事
・動力工事
・申請料 消耗品 雑材
・ホリゾント部LED間接照明
・〃CL
・ホールDL
・〃CP
・個室CP
・〃DL
・〃LED間接照明
・WCDL
・厨房FL
・外部スポットライト
6.給排水工事
給排水工事とは厨房やトイレ、洗面器への給水、排水のための工事になります。飲食店の場合は、はつり工事や床上げ工事が発生してきますので物販店よりも工事費用は高くなります。
~内訳~
・給水工事
・排水工事
・洋風便器
・小便器
・手洗器
・〃取付費
7.サイン工事
サインとは俗に言う「看板」のことであり、宣伝、広告等の目的で設置します。 主に屋外に使用されるものを指す場合が多いですが、店内案内表示、誘導表示、ディスプレイ用のパネルなど屋内で使用されるものも看板であるといえます。
~内訳~
・外部LED店名サイン
・〃カルプ切文字サイン
・取付費
8.ガス工事
ガス工事とは店内にガスを配管する工事になります。ガス容量が不足していたり、今までのテナントが事務所でガスが通っていない場合はガス工事にお金がかかります。
ガス工事をせずにプロパンガスにする方もいますが、ランニングコストは高くなります。
~内訳~
・プロパン給湯器
・厨房器具配管及び取付費
9.空調工事
空調工事とは業務用エアコンの新規設置、移設、入替、撤去や、換気扇、空気清浄機、排気ファン、エアカーテン、空調ダクトの工事などです。
目安としては厨房設備のある飲食店であれば、10坪の店舗でも3馬力の空調機は欲しいところです。
~内訳~
・AC天吊カセット型
・有圧換気扇
・換気扇
・取付費
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